やはり血は争えない⁉ 東前頭18枚目の王鵬(21)=大嶽=が、新入幕で初日から3連勝と好発進した。
西前頭16枚目の剣翔(30)を休まず攻め続け押し出し。「しっかりと前に出られたのはよかったと思う。調子の良さを実感している。しっかり手も足も前に出せている。体をしっかり動かせている」と満足そうに振り返った。
新入幕の場所で、祖父の横綱大鵬(故人)は初日から11連勝し12勝。父の元関脇貴闘力(54)は初日から6連勝で11勝。ともに敢闘賞を受賞している。
連勝について王鵬は、「負けるよりは勝った方がいいと思う。『祖父が』とかは、あまり気にしていないけど。勝てるときに勝って、番付を上げていきたい」と頼もしく言い切った。
初日のNHK総合テレビ「大相撲中継」で「父は貴闘力」と連呼されたが、現在はユーチューブで協会改革を訴える父の名前が出ることはあまりない。
野球では野村克也さん(故人)の孫で日大1年の野村忠克外野手も、「阪神・野村克則コーチの息子」ではなく、「ノムさんの孫」と報じられることが多い。
貴闘力も優勝1回、三賞計14回の名力士だが、優勝32回で「巨人・大鵬・卵焼き」とまで称された歴史上の名力士と比べると霞んでしまうのは、致し方ないところか。
王鵬は「自分がどんな人間であれ、祖父の名前で応援して下さる人がいる。すごくありがたいと思っています」と感謝。11日目の19日は、2013年に亡くなった祖父の命日だが、その日に勝ち越しを決められれば最高だ。(塚沢健太郎)