サスペンスにハマる「誘惑の世界」 「名優が演じる」DVD10枚組シリーズ最新版 端役で出演のグレース・ケリーやジェフリー・ハンターにも注目1/1ページ

これまで何度か紹介してきた「名優が演じる」DVD10枚組シリーズの最新版「誘惑の世界」(コスミック出版)。副題が「権力と欲望に支配された暗黒街を切り裂く銃声」となっており、非常に興味深いラインアップだ。

筆頭のトレバー・ハワード主演のイギリス映画「私は逃亡者」(1947年)以外は、すべてアメリカのハリウッド製で、今回は日本未公開作品が多い。

ジョセフ・L・マンキウッツ監督の「復讐鬼」(50年)は、弟が治療中に死んだのを、担当の黒人医師のせいにして報復する白人男(リチャード・ウィドマーク)の話。

黒人医師役を若きシドニー・ポワチエが演じているのは見ものだが、白人と黒人の集団抗争シーンも出てくるから、人種問題によって分断された現在の合衆国を考えるうえで、うってつけの社会派映画といえよう。監督がハリウッドの名匠だけに、レベルも高く今日の同ジャンルと比較するのも面白い。

次にお薦めは、「14時間の恐怖」(51年)で、ホテルの15階から飛び降りようとする男(リチャード・ベースハート)の生死をめぐり、男の家族や恋人とその場に居合わせた人々の人間ドラマをサスペンスタッチで描いた作品。一種の群像劇である。

その後、ハリウッドスターとなるグレース・ケリーやジェフリー・ハンターが、セリフもわずかしかない端役を演じているのでご注目を。

2011年に制作された同じプロットの「崖っぷちの男」と比べはるかに出来がいい。

ヴィンセント・プライス主演「操られた目撃者」(1946年)は、60年代にテレビ放映された「ヒッチコック劇場」のエピソードを思わせ、やや軽めだが楽しめる。

その他、フィル・カールソン監督の「ギャングを狙う男」(53年)は、同監督の手腕を見直すほどよくできているし、「限りある命」(46年)は往年の映画ファンには懐かしいジョン・ガーフィールドに加え、「荒野の決闘」「リオ・ブラボー」といった西部劇で知られる名優ウォルター・ブレナンが粋な役を演じているなど、盛りだくさんなサスペンス傑作集といえよう。 (瀬戸川宗太)

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