巨人の看板が最強の遊撃手でいられる時間はそう長くはない。巨人・坂本勇人内野手(33)が12日、沖縄県内での自主トレ後にオンラインで取材対応。「去年は体がいい状態で動かないと感じることがあった」と加齢による変化と格闘中。今季も体にむち打って主将を継続するが、高い壁を乗り越える若手が見当たらないのも問題だ。
「年齢的にも33歳。去年後半に体がいい状態で動かないと感じることもあった。もう1回、1年間戦える体作りをしないといけない。追い込みながらやれている」
昨季露呈した課題に対して「足ですね。打撃が粘り強くできないことがあった。いいパフォーマンスをできるだけ維持できるように」と体幹トレーニングを中心に鍛えているという。
〝坂本塾〟には5年目の湯浅大内野手(21)、4年目で今季から育成の増田陸内野手(21)も同行。同ポジションを守る若手にとって球界№1遊撃手から吸収できる絶好の機会だが「トレーニング内容を自分で考えてくるようにって宿題を出してたのに、何も出してこない。書いといてくださいね。(2人に向かって)ランニングメニューもオレが考えとるやろ」とおかんむりだった。
坂本自身も1年目のオフから当時現役だった阿部慎之助1軍作戦兼ディフェンスチーフコーチ(42)から米グアムでの自主トレに誘われ、打撃の基礎を教わった。主将の座を引き継ぐとともに、自らの懐を痛めて後輩を導くという伝統も受け継いでいる。
交代時期を取り沙汰される主将の座を今季も全うする。「勝てないと眠れないこともある」と漏らすほどチームの勝敗に責任を背負う立場を担って8年目だ。
さらに2023年3月には覇権奪回の期待が掛かるワールド・ベースボール・クラシックが予定される。
「来年ですよね? 必要とされているのであれば断る理由はないですし、今までも選ばれてうれしいという気持ちはあった。自分のコンディションにもよるが、代表に対して来年もその気持ちはずっと変わらないと思う」と明かす。
昨年の東京五輪では常にチームの中心としてまとめ役を務めた。歴代の日本代表監督からの信頼も厚く、栗山英樹監督(60)も頼りにする最強の遊撃手に、休む暇はなさそうだ。 (片岡将)