大前研一のニュース時評

日本のデジタル化事情は〝石器時代〟 考え方を見直して対応を1/2ページ

岸田政権が打ち出すデジタル化。効果は未知数
岸田政権が打ち出すデジタル化。効果は未知数

昨年末30日の日経新聞に「法令4万件をAIで検証」と題する記事が掲載された。これは書面や対面手続きの原則廃止に向け、岸田文雄首相が「法令4万件を見直す」と表明したことを受けたもの。IT技術を使った法務処理を支援する「リーガルテック企業」と連携し、改正すべき箇所をAIで抽出して作業の効率化をはかる。

ただ、この「4万件」というのは、「これを添付すること」とか「入札の際にはこの書類が必要」といった文章について、電子化するものだ。そんなどうでもいい問題ではなく、法律そのものをデジタル時代に合わせて見直さなくてはいけないのではないか。

例えば建築関連では、CAD/CAM(コンピューターを利用して設計・生産を一貫して行う技法)というものがあって、入力すると「この場所にこういうものを建てていいのか」ということをパンと弾き出してくれる。これなら建築基準法に関する大半のことは済んでしまう。厚い書類を風呂敷に抱えて持ち込む必要もなく、審査も数秒で終わる。

こういうことをしている国もある一方、建築士が構造計算書を偽造した「姉歯事件」で、第三者にもう1回検証させることでさらに許可が1カ月遅れる日本のような国もある。21世紀になって、日本は石器時代に戻った状況といえる。

私は以前、マレーシアのマハティール・ビン・モハマド首相(当時)の経済アドバイザーを務め、IT先進国にするための国家プロジェクト「マルチメディア・スーパーコリドー構想」を提案し、その実現を阻む法律があると、すぐにサイバー社会に適したものに替えていった。

法令4万件のどうでもいい文章の書き換えではなく、法そのものの精神、考え方を見直して、デジタル化に対応できるよう組み立て直さなければならない。

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