
2月4日に行われる北京冬季五輪開会式が、大幅な縮小を余儀なくされている。人権弾圧を批判する米国などの外交的ボイコットに加え、新型コロナウイルスのオミクロン株への懸念も強い。親中的な姿勢で知られる韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領まで欠席を表明した。国威発揚を狙っていた習近平国家主席も肩すかしの様相だ。
開会式は2008年夏季五輪と同じく「鳥の巣」と呼ばれる北京国家体育場で行われる。

08年夏季大会の開会式では約4時間で1万5000人ほどが出演したが、今回は「簡素・安全・華麗」というコンセプトのもと1時間40分以内で、出演者も約5分の1の3000人ほどに絞られた。国営新華社通信によると、08年に続き開閉会式の総合監督を務める映画監督の張芸謀(チャン・イーモウ)氏は「パンデミックの中で行われる。それほど豪華なものではなく、長く続けることもしないだろう」と述べ「人海戦術」を取らないことを明かした。
あくまで前向きな簡素化だというアピールもある。2月の北京は平均気温が氷点下2度で、寒さも時間短縮の理由としたほか、演出に科学技術や環境保護、低炭素社会などを盛り込む意向だといい、張氏は「比較的簡素かつ安全な方法で、どのように華麗さを生み出すかは大きな挑戦だ」と語った。