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愛妻を寝取られながら、見て見ぬフリをする男の心の内は… ゴールデン・グローブ賞受賞で再注目、映画「ドライブ・マイ・カー」1/1ページ

いつまでも同乗していたくなる(ⓒ2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会)
いつまでも同乗していたくなる(ⓒ2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会)

カンヌに続き、アカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデン・グローブ賞を受賞した映画「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)。日本の作品が同賞に輝くのは市川崑監督の「鍵」以来62年ぶりの快挙とあって、再上映が相次いでいる。

上映時間172分。難解な作品だったら居眠りしてしまうかも…というのは杞憂。村上春樹の短編小説が原作で、妻を亡くした喪失感を抱える演出家の男性が、専属ドライバーの女性と出会って、妻の秘密をたどる物語。その過程をまさに〝同乗〟することになる。

西島秀俊演じる演出家は、亡き脚本家の妻(霧島れいか)を新進俳優(岡田将生)に寝取られながら、見て見ぬフリをして生きてきた。それがワケアリの女性ドライバー(三浦透子)と出逢ったことで、徐々に自分との向き合い方に変化が現れてゆく。文学的輝きを帯びているのは、劇中劇のチェーホフ(ワーニャ伯父さん)の本読みから本番までを丹念に追った流れや、感情を押し殺した西島の謎めいた芝居運びにある。

根が下品なので、「ああ、これはAVで最近はやりのNTR(寝取られ)が文芸作品に昇華したものか」と、しだいに興味をそそられた。

吸わない私も思わず吸いたくなる主人公と女性ドライバーとの〝2人タバコ〟のシーンや、トンネルと夜闇が連続する「雪国」のような深夜ドライブの車窓など表に出さない感情が細かく丁寧に描かれている。実にぜいたくな長尺だ。 (中本裕己)

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