だましのテクニックが複雑に絡まり、重層化が増す今作。だまされたままのストーリーで観客は物語を楽しみ、後々の丁寧な種明かしで物語を咀嚼(そしゃく)する。伏線はすべて回収される。意外性やだましのテクが含まれているから、目が離せない。
前作まではなかったダー子目線、ボクちゃん目線、リチャード目線でも描かれ、一作品で何度もおいしい、そんな複雑な構造なのである。
警察との対決構図もこれまでになかった。日本から派遣された警視庁捜査2課の刑事を松重豊(58)が演じる。どことなく「ルパン三世」の銭形警部へのオマージュ風で、実にいい風味を映画に加えていた。
あっけにとられる複雑さにもまったく違和感を覚えないのは、脚本家・古沢良太氏のなせる業だろう。15日夜、フジテレビ系で「コンフィディンスマンJP プリンセス編」がオンエアされる。