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岸田文雄政権は、新型コロナウイルスの感染者の濃厚接触者について、待機期間を短縮するなど「柔軟な対応」を強調している。一方でワクチンの3回目接種は進まず、米軍基地の感染でも米国との交渉は遅きに失したとの見方もある。政府のオミクロン株対策は十分なのだろうか。
新型コロナの感染症法上の分類を「2類相当」から「5類」に引き下げることについて、岸田首相は、「感染急拡大している状況で変更するのは現実的ではない。2類から5類にいったん変更し、その後、変異が生じた場合、大きな問題を引き起こす」と消極的だ。
このような変更の決定は、新型コロナの感染者数が極めて少なかった昨年10~11月にやっておくべきだった。ワクチンの3回目接種も在庫があったにもかかわらず、やらなかった。そのため、沖縄県では医療従事者が感染し医療にも支障が出ているという。分類変更もそれとも同じで、波が静かなときに何も準備しなかったことが問題だ。今さら手遅れで、手順が前後していると言わざるを得ない。
今後変異があるから変更すると大問題を起こすので対応できないというロジックもおかしい。これは、やらないことを正当化する「官僚答弁」である。
一般論であるが、ウイルスは変異するたびに感染力は強くなるが弱毒化していく傾向がある。当てはまらない場合も少ない確率であり得るが、そのときには再び分類を変更すればいい。「柔軟に対応」と岸田首相は言うが、こうした柔軟性をもってもいいだろう。変異があるからこそ迅速に対応すべきだ。