新年早々、オミクロン株が急拡大して、再び先行きが不透明になりました。しかし大阪にはコロナショックをぶっ飛ばす勢いで進化を続ける町があります。大阪城を間近に臨む庶民のまち京橋です。
戦国時代、豊臣秀吉が大坂城と京の伏見城を結ぶ「京街道」をつくった際、大坂の玄関口と定めて以来、交流の拠点として親しまれてきました。その賑わいは江戸時代も続き、第二次大戦の空襲で焼け野原になった後も途絶えることはありませんでした。そしてコロナ禍では、疲弊するどころか、さらなる飛躍を遂げたのです。
その象徴が昨秋、全世界で公開されたハリウッド映画「G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ」でしょう。地元の活性化をリードする京橋地域活性化機構の理事長・鷲見慎一さんが「これからは世界の京橋を目指す」と一念発起でチャレンジしたロケ誘致が成功し、京橋の風景が全世界に紹介されたのです。さらに鷲見さんは、コロナ禍の自粛生活をチャンスに変えようと、インターネット上に映画ロケ地のVR映像を公開。世界中の「G.I.ジョー」ファンのアクセスも集まり始めました。
「アフターコロナにインバウンドが復活したら、世界から多くの映画ファンがやってきて、ここは世界の京橋になると確信しています」と鷲見さん。コロナ禍もチャンスに変えるパワーには、この地に根付く秀吉の下剋上精神がにじみます。