岸田文雄首相と、ジョー・バイデン米大統領は21日夜、オンライン形式で日米首脳会談を行う。歴代首相の多くは、就任後2カ月ほどで米大統領との対面会談に臨む。岸田首相も「早期訪米」を事実上の公約としてきたが、断念した。新型コロナウイルスの感染拡大が理由に挙げられているが、政界屈指の「親中派」外相の起用や言動などから、米国側が岸田政権に懸念を持っているとの見方は多い。注目のオンライン会談の展望と注文について、国会議員や識者に聞いた。
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「核兵器のない世界の実現に向けて、まずは米国との信頼関係構築に努めたい。バイデン大統領とのテレビ電話会談でも、ともに取り組むことを確認したい」
岸田首相は19日、施政方針演説(17日)に対する代表質問で、こう答弁した。
外交筋によると、日本政府は岸田内閣が発足した昨年10月以降、岸田首相の早期訪米への理解と協力を米側に複数のルートを通じて要請してきた。バイデン政権は当初、前向きだったが、同11月の第2次内閣発足あたりから、風向きが変わった。
この背景について、自民党の青山繁晴参院議員は「私の情報源によると、バイデン政権は、中国当局による新疆ウイグル自治区での人権弾圧が問題視され、北京冬季五輪や秋の共産党大会が近づく時期に、岸田首相がわざわざ、日中友好議連会長の林芳正氏を外相にしたことに疑念を持った。林外相が訪中した際の振る舞いや、中国との『特別な関係』も把握している」と、夕刊フジの取材に明かした(17日発行号掲載)。