国会の外交演説(17日)で、林氏は、何と言っていたか。
東シナ海における中国の一方的な現状変更の試みには「冷静に、かつ毅然(きぜん)と対応していく」と述べつつも、日中国交正常化50周年を迎える中で、「建設的かつ安定的な日中関係の構築を目指す」と強調している。結論に当たる後段部分に真意があるのは、明らかだろう。
一方、岸田首相は施政方針演説(17日)で何と述べたか。
こちらは、「未来への理想の旗をしっかりと掲げつつ、現実を直視し『新時代リアリズム外交』を展開する」とぶち上げたが、肝心なのは、キャッチフレーズより中身だ。
中国について、どう語ったかと言えば、「国交正常化50周年を念頭に、建設的かつ安定的な関係の構築を目指す」と、林氏の外交演説をほとんど一字一句変えず、そのまま踏襲した。