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米国のコンサルタント会社「ユーラシア・グループ」は、新春恒例の「2022年の世界の10大リスク」を発表した。同社は著名な国際政治学者、イアン・ブレマー氏が社長を務め、1998年から年初に世界の政治や経済に深刻な影響を及ぼす地政学リスクを予測している。
1位は中国の「ゼロ・コロナ政策」の失敗。新型コロナの封じ込めに失敗し、世界経済が混乱に陥る可能性が高いとした。2位は巨大IT企業の影響力がさらに強まって、その偏った解決法が混乱や暴動を引き起こすリスク。3位に米国の中間選挙で共和党が連邦上下院の過半数を奪取することを挙げた。
報告書は冒頭、米中がそれぞれの内政事情から内向き志向を一段と強め、世界の課題に対処する指導力や協調の欠如につながると指摘している。ま、当たらずといえども遠からずということか。
ただ、1位のコロナ封じ込め作戦の失敗については、かつて中国広東省で発生して世界に拡大したSARS(重症急性呼吸器症候群)などの経験もあるので、リスクはリスクだが、これが「世界の重大リスク第1位」と言われたところで疑問がある。
私は最大のリスクとして、米国政府に世界に対する理解が欠けていることを挙げたい。ドナルド・トランプ前大統領はハチャメチャな人間だったが、それに続くジョー・バイデン大統領も、長い間、政治に取り組んできて、副大統領の経験もあったのに、この程度なのかという思いだ。