軍事のツボ

真珠湾攻撃外伝 任務延長、越年で戦った潜水艦の正月料理2/4ページ

この間に太平洋上で正月を迎えている。ここでどのような食事が出されていたのか。それがわかる記録が残されている。

当時の砲術長が、日記に1月1日から10日間の献立を残していた。この日記を見た別の潜水艦の士官が、戦後、海上自衛隊の潜水艦部隊に献立表を寄贈し、部内誌に掲載されたという。この資料によると、行動43日目にあたる元旦の献立は別表の通りで、三が日の朝食はほぼ同じだった。昼食と夕食は通常との差はほぼないようだ。

あきしお発令所
あきしお発令所

この献立には食材の分量は書かれていない。もともと海軍の食事は「海軍給与令」や「同施行細則」で細かく規定されていた。細則の中で「海軍糧食表」が定められた一方、潜水艦は過酷な環境なので、これとは別に「潜水艦航海糧食表」が1926(大正15)年に制定された。この2つの糧食表ではともに1日の食材の品目とその分量などが規定されている。

さらに 1931(昭和6)年に海軍給与令が大改正され、海軍糧食表と潜水艦航海糧食表も変更が加えられた。海軍糧食表には「潜水艦航海食養価表」が付属しており、1日の摂取カロリー、食材ごとの1日の摂取量やタンパク質やビタミンなどの含有量が細かく記載されている。

そして海軍経理学校がまとめた1941年の「潜水艦航海糧食標準献立」を見ると、出港から60日間の献立が具体的に示されている。ただ、伊21の正月に出た雑煮などは標準献立には出ておらず、臨機応変な対応が認められていたと考えられる。

この伊21の献立が再現された。調理したのは元潜水艦乗組員で、分量や手順などは当時の海軍の調理教科書などを参考にした。

作った本人の感想はというと、「(長期の作戦による)疲労で味覚や食欲が落ちている中、味が分かるしょうゆ味の雑煮と甘い煮豆は相性がいい。数の子やスルメは歯応えが楽しめ、悪くない」となかなか高評価だ。ただ、「紅ショウガ(40グラム)が多くてきつい」とも。調理に際しては塩分を標準的な使用量より少し控えたという。高温多湿な艦内環境で塩分の補給が必要なことから、塩辛い味付けだったのかもしれない。

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