同報告書の趣旨は90日分の食料搭載は事実上不可能とするものだが、伊6の南方派遣の際には約30立方メートルの食料を搭載したとの記載がある。前記の艦内搭載量約25立方メートルとは約5立方メートルの差があることから、60日分を積み込むにはかなり無理をしたと推測できる。
日本海軍の潜水艦は、30日が作戦期間の基本だったところ、長期の作戦が不可欠になった。しかし元の設計や保存のこともあり、食料面からは約60日が通常の行動の上限だったのではないか。現在の海上自衛隊の潜水艦も南シナ海などで行動しているが、行動期間などは非公表だ。(サンケイスポーツ・梶川浩伸)
【伊21の1942年元旦の献立】
●朝食
雑煮(缶詰餅、かまぼこ、タケノコ、フキ、ホウレンソウ)
向付(数の子、切するめ、煮豆)
紅ショウガ
●昼食
白米
鶏肉大和煮
里芋の煮物
吸い物(カニ缶、マツタケ、ホウレンソウ)、紅ショウガ
●夕食
白米
イワシ油漬け
万才煮
吸い物(キャベツ、ニンジン、タケノコ、シイタケ)
大根みそ漬け