自民党の高市早苗政調会長が、外交・歴史認識で毅然(きぜん)とした姿勢を見せた。岸田文雄政権は「佐渡島の金山」(新潟県)について、今年度はユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産への推薦を見送る方向で調整に入っているが、年度内の推薦を強く迫ったのだ。林芳正外相は、煮え切らない態度に終始した。岸田政権の対応次第では、保守層の不信は高まりかねない。
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衆院予算委
「佐渡金山は江戸時代に伝統的な手工業で高品質の金を生産してきた」「新潟の方々は世界遺産を目指し、20年以上も情熱を持って取り組んできた」「日本政府は誇りを持ち、必ず今年度に推薦すべきだ。国家の名誉にも関わる」
高市氏は、24日の衆院予算委員会でこう言いきった。
佐渡金山については、韓国などが「強制労働があった」と主張・反発している。地元や自民党保守派は「事実と異なる」と異議を唱えているが、外務省側は「登録が見込めない」と推薦に足踏みしている。