ノンフィクションで振り返る戦後史

カタルシスとは縁遠いフィーチャーストーリー 1983~84年を描く「青春漂流」(立花隆著、講談社文庫)1/2ページ

「青春漂流」表紙
「青春漂流」表紙

注目人物のフィーチャーストーリーは常にメディアの王道コンテンツ。今なら、ITを駆使して新たなマーケットを開拓する起業家や、クラウドファンディングで出資を募り社会問題解決型のNPO法人を立ち上げる若者などが取り上げられがちだろう。

立花隆の「青春漂流」は1983年から84年にかけ雑誌「スコラ」に連載した人物評伝。未来を見据え奮闘する若者たちを取材するが、その中に組織人は一人もいない。

自らの腕で世を渡る職人やコックなどが多く登場する。昨今と異なる傾向。その後「コート・ドール」シェフとして名をはせる斎須政雄や、十数年後にソムリエ世界コンクールで優勝する田崎真也にも取材している。両名ともまだ殆(ほとん)どメディアに出ることがなく無名だった頃だ。

今風のその手のストーリーでは、時代の求めるヒーロー像への共感をあおり、読者や視聴者のカタルシスに奉仕する作りが常道。人生の途上で師や周囲とぶつかっても、やがてその対立は止揚・解決し、主人公は一層成長して成功に至る。しかし「青春漂流」の登場人物たちのふるまいは、現代の主人公のスマートさとは明らかに異なる。

健活手帖

zakスペシャル

主要ニュース

ランキング

  1. 【2022年夏・参院選】京都選挙区で福山氏VS前原氏、かつての〝盟友〟が火花! 旧民主党&松下政経塾の先輩後輩がなぜ 両氏を直撃取材

  2. 元「KAT―TUN」田中聖容疑者を逮捕 覚醒剤所持

  3. 元舞妓の〈16歳飲酒〉〈お風呂入り〉告発に、花街関係者も衝撃「未成年飲酒には厳しく対応しているはず」

  4. 韓国政府の魂胆は!? 徴用工めぐり〝30億円新基金〟設立案が浮上 解決済み問題を蒸し返す動きか 「日本側が協力する必要はない」識者

  5. 猛暑で警戒「スマホ熱中症」 高温下の利用で端末に異常、故障や発火も 急な冷却NG、対処法は「10円玉」!?

  6. 【2022年夏・参院選】山形選挙区、自民と国民〝ドタバタ劇〟の後遺症は? 自民選対委員長のおひざ元 「山形方式」も足並み乱れ大内氏に好機

  7. コロナで死亡した人の多くは「敗血症」 早期認識と治療で重症化を防ぐ

  8. 【艶グラドル】志田音々、マングローブ林で〝最大露出〟 気象予報士を目指しながらタレント活動

  9. 「数百億円」男・佐々木朗希でロッテ観客動員増、広告効果大! 球団マーケティングで「ライト層」「若年層」増加が顕著

  10. 「冷戦時代の遺物」プーチン大統領、NATOを恫喝 北欧2国に軍事施設なら対抗措置 新たな戦略概念に「何の新しさもない」

ピックアップ連載

連載一覧へ

最新特集記事

特集一覧へ