米海軍は先週、海上自衛隊と沖縄南方で大規模な共同戦術訓練を実施した。
これは軍事的覇権拡大を続ける中国とともに、極東からウクライナ国境付近に部隊を移動させたロシアを牽制(けんせい)したとの見方もある。
今後、ウクライナをめぐる情勢はどうなりそうか。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がこの局面で、軍事行動に出ないことはあり得ない。ウクライナ東部を親ロシア派に独立させ、地元の要請を受け、ロシア軍が介入する選択肢があるようだ。さらに、戦線が拡大するのも織り込み済みだろう。2月中旬以後が危ない」と分析する。
やや違う見方もある。
拓殖大学海外事情研究所の川上高司教授は「米ロ両国はウクライナとロシアの小競り合いは生じても、全面衝突という世界的危機は回避したいのが本音だろう。ロシアは疲弊する自国経済への援助を引き出そうと、緊張度を高めている。米海軍と海自が極東で『力による現状変更』を許さない覚悟を示したことも、米ロの交渉で効き目が出てくるのではないか」と語っている。