勝負師たちの系譜

師弟それぞれ(2) 師匠・廣津久雄九段の武勇伝 奨励会員なのに…収入は並の棋士より多かった1/2ページ

内弟子と言えば戦前のことだが、私の師匠の廣津久雄九段も、花田長太郎九段宅で20歳過ぎまで、内弟子をしたと話していた。

花田は木村義雄14世名人と名人位を争った名棋士で、弟子は他に坂口允彦九段(後に将棋連盟会長)、塚田正夫名誉十段(名人2期)、荒巻三之九段がいる。

廣津は内弟子にもかかわらず、個人の後援者が多く、午前に間組の会長宅で教えた後、ハイヤーで午後の稽古先まで送ってもらったと言っていた。奨励会員なのに、収入は並の棋士より多かったようだ。

洗濯が面倒で足袋を買い続けたら、段ボール一杯たまったとか、師匠と行った稽古先では、自分の高い下駄が真ん中に置いてあったとか、楽しい思い出はよく聞いたが、苦しかったことはあまり聞いたことはない。

奨励会で家一軒買えるお金がたまったが、戦後預金を下ろしたらインフレで「荒巻さんと2日飲んだら無くなった」と笑っていた。

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