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作家・五木寛之 人生には捨てない豊かさもある 「世界的な趨勢に逆行する本を書くには勇気がいりましたよ」 新刊「捨てない生きかた」が話題3/3ページ

「仏教は『(煩悩などを)捨てる哲学』だと思いがちですが、親鸞やその師の法然は、煩悩を抱えたままで、どう自由になるか、という『捨てない哲学』でした。悪人も捨てない。選別せずにすべての人を救うという仏教だったのですよ」

今年(2022年)9月には親鸞が亡くなった90歳を迎える。

「同世代の作家はほとんど亡くなってしまいましたから寂寥感を感じますね。僕は過去よりも、今後、今起きることへの好奇心が強い。死も『第2の旅立ち』だと思うと新しい体験になるでしょう。ただ、極楽地獄があるとすれば、僕は『地獄行き』確実だから、あまり急ぎたくないかな」

(文/南勇樹 写真/春名中)

■五木寛之(いつき・ひろゆき) 1932年9月30日、福岡県出身。89歳。早大文学部露文科中退。朝鮮半島で少年時代を送り、47年引き揚げ。66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞を受賞した。76年『青春の門 筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞。主な作品に『親鸞』『四季・奈津子』『大河の一滴』『下山の思想』など。

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