
沖縄県石垣市が、日本固有の領土・尖閣諸島を守り抜く気概を見せた。1月30日~2月1日、東海大学の海洋調査船をチャーターして、同市の行政区域である尖閣諸島周辺や南部海域の海洋調査を実施したのだ。中山義隆市長(54)も乗船し、海上から視察した。尖閣周辺では、中国海警局の船2隻が領海侵入して調査を妨害しようとしたが、海上保安庁の巡視船8隻が安全確保にあたり、中国船に日本領海から出るよう警告した。調査船に乗り込んだフォトジャーナリストの山本皓一氏が、貴重な写真とともに、緊迫の海洋調査について、独占リポートする。

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うっすらと明けていく前方に、真っ黒いシルエットになった尖閣諸島・魚釣島が見えてきた。私が乗っている海洋調査船「望星丸」(2174トン)の左右に、赤い灯と緑の灯が大きく上下に揺れながら並走している。
赤い灯は、中国海警局船のもので、緑の灯は海上保安庁の巡視船だ。この海域は日本の領海内なので、中国海警局船は明らかな領海侵入だ。
目視できる中国海警局船は2隻だが、海保の巡視船は8隻。海上防衛のセオリーどおりの布陣で、望星丸寄りに2隻が中国海警局船を挟み込み、もう1隻は後方から続く。