
新型コロナウイルスの感染拡大で、生活の中心が自宅周辺となり、最寄りの商業施設などの関心が高まっている。
鉄道各社は利用客の増加を目指し、沿線の街づくりによる人口流入に力を入れてきた。ウィズ・アフターコロナを見据えた街づくりに一層拍車がかかる。
小田急電鉄が、世田谷区下北沢を中心とした東北沢駅~世田谷代田駅間の地下化に伴い、線路跡地に新しい街「下北線路街」の計画を本格化したのは2017年。東西1・7キロメートルにおよぶ下北線路街は、商業施設や温泉旅館、都市型ホテル、学生寮、保育園、広場などが次々とオープン。エリアを縦断する遊歩道は地元住民でにぎわう。
下北沢駅は、新宿駅から電車で約10分。演劇や音楽、若者の街として知られ、新しい建物と古くからの商店や家屋が混在する人気スポットだ。
小田急電鉄はコロナ禍前から、「いずれは通勤という概念が変わり、自宅を中心とした生活圏の充実が求められる」と睨んでいた。