
★其ノ四百拾壱
今でこそ、「お休み3秒(ついでにどこでも熟睡)」を誇る寝つきの良さですが、未成年のころはなかなか眠れない、眠りが浅い子で親を困らせていました。
両親共働きで、私が寝るときに2人が帰ってきていないときは、毎回のように絵本を読み聞かせたり、昔話を語ったりしなくてはならないのは祖母でした。祖母は妙に読み聞かせや昔話が上手でしたから、私はすっかりテンションが上がってしまい、もっともっととせがむので、「いい加減に眠ってくれ」と辟易(へきえき)していたと後に聞いています。
祖母の朗読は非常に臨場感がありながらも優しい口調だったのを今でもよく覚えています。シンデレラの話の中、魔法使いが助けに来るシーンでは「魔法使いが似合う」と幼心に感じていましたし。
ハイティーンになると、さすがに1人で何とかして寝なくてはいけなくなるのですが、相変わらず目がさえて眠れず、昼間にウトウト…という事態も。困ったなぁと思いながら、たまたまリビングで寝る機会に遭遇します。夏場に自室のエアコンがあまり効かなくなり、交換しなきゃと言われたときでした。