今回はしばらくぶりに受けた雑誌に関する調査依頼である。
「中学生時代に父の本棚で石ノ森章太郎さんのSFマンガ『サイボーグ009』を見つけました。ものすごく面白くて何度も読み直しました。その様子を見た父が〈もうじき出る新しい雑誌で続編の連載が始まるから、その時には買ってあげよう〉と言ってくれたのです。ところが、父は雑誌を買ってくれないままで、昨年亡くなりました。新しい雑誌や続編はどうなったのでしょうか。調べてください」(フランソワーズ・大学事務職)
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石ノ森章太郎が『サイボーグ009』の中で未完になっていた「天使編」を再開する話は、探偵長も1994年の夏に直接ご本人から聞いている。連載のための新雑誌が創刊されることも同時に語っていた。
その新雑誌『コミックアルファ』が創刊されたのは1998年春。発行元は、その当時、石ノ森の自選作品集を刊行していたメディアファクトリー(現KADOKAWA)で、月2回刊行だった。