BOOK

人に影響を及ぼす磁場のような場所、隣には人を拒むような北海道の自然 小説家・篠田節子さん『失われた岬』1/4ページ

小説家の篠田節子=3日午後、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)
小説家の篠田節子=3日午後、東京都千代田区(三尾郁恵撮影)

直木賞受賞から25年。3年前には吉川英治文学賞も受賞し、作家として円熟の域に達した。しかし、そうした名声を得ながらも小説への飽くなき意欲で新たな世界観を構築する。今回、畢生(ひっせい)の大作を送り込んだ篠田節子さんに聞いた。 (文・竹縄昌/写真・三尾郁恵)

――着想はいつ頃

「着想自体は2016年ごろでした。人に影響を及ぼす磁場のような〝場所〟に興味がありました。それは、巡礼の聖地といったものではなく、人間の性格などが変えられてしまう〝磁場〟を持つ謎めいた土地です。そして着想したのは、その磁場と言えるものが、実は生態系に原因していて、独自の生態系を持った場所が磁場として人を変えてしまう。小説の中の〝謎〟を生態系にしてみたかったんです」

――家族の物語と思いきや近未来に話が及び、AIやさらには新たな日本人ノーベル文学賞受賞作家も登場する。最後の謎解きといい、複雑な構成にも感じました

「本来なら、第4章(「ストックホルムで消えた」)から始まるストーリーだと思います。昨年は単行本を初めて出版してから30年の年でした。思いの外、長く作家をやってきて、分厚い本もたくさん書きましたが、これから以降、縮小再生産に陥ることだけはしたくなかったんです。ですから、敢えて小説の形式から外れたような、いびつな作品を書いてみようと思い、本書では、長篇小説の骨格となるエピソードの前に、中篇小説2本にあたる物語を入れ、それを謎につなげていきました」

zakスペシャル

ランキング

  1. 消えたはずの「日の丸」が映画本編で復活 27日公開「トップガン」続編 予告編ではトム・クルーズのジャケットが別マークに修正も

  2. 北朝鮮・金正恩がコロナ感染拡大を公表 「防疫部門は無能」発言に党幹部震え上がる

  3. 習主席が墓穴!空母威嚇が裏目に バイデン大統領「台湾防衛」を明言 「『第2のウクライナにはさせない』決意の現れ」識者

  4. 「竹島専従」新型調査船が就航 韓国に関係改善の意思なし? 外交ルートで抗議も相次ぐ反日暴挙 実効支配強化が加速する恐れ

  5. 【歌姫伝説 中森明菜の軌跡と奇跡】「AL―MAUJ」誕生の真実 シングル化が遅れ…佐藤さんのアルバムに 「『難破船』に続いてまたカバー曲か」は正直心外

  6. 豪・印に懸念材料 QUAD首脳会談 「親中の歴史」豪労働党への不信で亀裂も 経済制裁に参加せず密接なインドとロシア

  7. 【スポーツ随想】物言いに尻込む新米審判たち 大相撲夏場所、際どい場面も手を挙げず…ついに八角理事長から〝物言い〟 いまや宝の持ち腐れのビデオ導入

  8. プーチン大統領の「健康不安説」 足を引きずって歩いている様子も確認

  9. 【日本の解き方】1~3月期GDPを読み解く 民間消費は予想より良かったが、公共投資減への対策が急務だ

  10. 浦和サポーター「声出し問題」クラブに丸投げ 野々村チェアマン“大甘裁定”で違反増長か お家芸のルール違反「埼スタ怖くて行けない」の声