ワクチン接種の「1日100万回」は、菅義偉前首相が昨年5月に掲げた。当初はメディアに「実現は不可能」と批判されたが、7月初めには1日170万回に達し、有言実行を示した。
岸田政権は「新しい資本主義」や「新時代リアリズム外交」など、キャッチフレーズは先行するが、政策の具体像は見えてこない。ワクチンの3回目接種の加速させるための「2回目からの接種間隔短縮」も、英国やフランス、ニュージーランドは3カ月にしたが、日本は医療従事者や65歳以上の高齢者は6カ月、64歳以下は7カ月である。
ワクチン担当相に起用された初入閣の堀内氏は、外相・防衛相経験者である前任者の河野太郎氏と、交渉力や突破力、発信力で比較される。
元通産官僚で評論家の八幡和郎氏は「堀内氏個人というより、岸田首相が『ワクチン接種を軽視していた』と言われても仕方ない。世界各国が2回目からの接種間隔を短縮するなか、方向転換も遅れたままだ。完全な大失政といえる。やっと、『1日100万回』接種を表明するというが、時間がかかりすぎている。批判があってから動く方が支持率には無難かもしれないが、他分野においても大失敗を繰り返しかねない」と指摘した。