スピードスケート女子1500メートルの高木美帆(27)が1分53秒72で、前回の平昌大会に続き銀メダル。5種目に出場する中、最も得意とする1500メートルだったが、前回も敗れたイレイン・ブスト(オランダ)の1分53秒28に届かなかった。世界王者の壁は厚かった。
「率直な気持ちは悔しい。その思いだけ。前回の五輪は金メダルが取れなかった悔しさと、メダルが取れたことのうれしさが入り交じった1500メートルだったけど。今回はメダルが取れたことよりも、金メダルを逃したことの方が強い」と肩を落とした高木。
ブストとの差は4年前の0秒20から広がって0秒44。「この舞台で勝てなかった。完敗。自分の実力が彼女より劣っていた」と悔しさをにじませた。
昨シーズンに入る直前、知人とコーヒーを飲みながらため息をもらし、「大丈夫かな私、このまま北京に行っても。不安だわ。もう、去るべきなのかなあ」と引退の不安にかられたこともあるという。
それでも、コロナ禍で海外に遠征できなかった昨季、国内大会でも「何かを得よう。自分で戦う気持ちをつくろう」と自らに課した。レース前の過ごし方や集中力の高め方など、試行錯誤を重ね、再び奮起して挑んだ北京五輪だった。