ノルディックスキー・ジャンプの混合団体(7日)で4位とメダルを逃した日本。1本目で103メートルの大ジャンプを飛びながらスーツの規定違反で失格となり、泣き崩れる高梨沙羅(25)の姿はいたたまれないものがあった。高梨は引退をほのめかす発言もしているが、女子ジャンプを牽引してきたレジェンドの大飛行を今後も期待する声は止まない。
失格となった後、取材エリアで号泣。「申し訳ございません」「私のせいです」と繰り返し、高梨は頭を深々と下げた。それでも「最後まで飛びます」と気力を振り絞り、2本目でK点越えとなる98・5メートルの大ジャンプ。直後に膝を抱えてまた顔を覆った。
この日は高梨の他にオーストリア、ドイツ、ノルウェーの選手もスーツの規定違反となり、計5人が失格になった。通常よりも検査が厳密だったとの見方もあり、ドイツのシュテファン・ホルンガッハー監督は「パペットシアター(操られた舞台)のようだ」とあきれるほどの大波乱となった。
通常は、試合前にスタッフが選手の身体を計測し、それに合ったスーツを渡すことから、横川朝治コーチは「選手は僕らの用意したスーツを着てそのまま飛ぶ。スタッフのミス」。鷲沢徹コーチも「われわれスタッフの確認不足。全く本人のせいではない。本人は与えられたスーツしか着ないので、これでいいと思って自信を持って飛んでいる」と責任を背負った。