大阪府は、新型コロナウイルス感染拡大で病床が逼迫(ひっぱく)しているとして、「医療非常事態宣言」を出した。同宣言を出すのは大阪で多数の死者が出た感染第4波の昨年4月7日以来。府は重症病床の運用レベルを一般医療の制限が必要な「非常事態」に引き上げ、医療機関に緊急ではない入院や手術を延期し、受け入れ体制を確保するよう要請した。
吉村洋文知事は「医療機関でクラスター(感染者集団)が発生するなど医療機能の低下に加えて、高齢者や重い疾患を持つ人の入院が増えている」と危機感を示した。
大阪の8日の新規感染者は2万609人、大阪市で政府の情報共有システム「HER―SYS(ハーシス)」への登録が遅れていた約9200人を含む。死者は29人が確認された。
同市では1月31日から2月6日までの間、コロナ感染者の救急搬送先を見つけるのに48時間18分かかるケースがあったと明らかにした。救急隊到着から搬送開始まで48時間以上かかるのは過去最長。3時間以上かかった事案は85件あった。