北京冬季五輪が4日開幕した。開会式は北京市内の「鳥の巣」と呼ばれる2008年夏季五輪のメインスタジアム(国家体育場)で開催された。
14年前は圧倒的な力を誇示するような演出だったが、今回は対照的だった。選手団入場で掲げた国名を記した雪の結晶型のプラカードを集めて大きな結晶を描き、中央に聖火トーチを据えて聖火台に見立てる繊細なパフォーマンスは意外だった。子供の合唱団を繰り出すなど、コロナ禍で迎えた内外の状況をかなり意識した対応になっていた。
日本人選手は、男子モーグルの堀島行真選手が銅メダルを獲得したのを皮切りに、スキージャンプ男子ノーマルヒルで小林陵侑選手が見事金メダルに輝いた。スキージャンプでは、長野五輪以来、24年ぶりの快挙である。フィギュア団体では、初の銅メダルをたぐり寄せた。
今回の五輪は、中国国内の人権状況なども問題視され、自由主義諸国は政府代表を派遣しないいわゆる「外交的ボイコット」を行った。
一方、権威主義国側は、中国の習近平国家主席が、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を招いて首脳会談を行い、「NATO(北大西洋条約機構)のさらなる拡大に反対する」との共同声明を発表した。政治色の目立つ大会になった。