中国が、北京冬季五輪の期間中にもかかわらず、台湾への軍事的圧力を強めている。9日に続き、10日も中国軍の戦闘機「殲16」など計11機を台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入させた。中国は同日、沖縄県・尖閣諸島周辺海域にも、海警局船を侵入させている。「平和の祭典」の理念とかけ離れていないか。
台湾国防部は10日、中国軍の戦闘機「殲16」や対潜哨戒機「運8」など計11機が同日、台湾南西部の防空識別圏に進入したと発表した。
中国は9日にも戦闘機「殲16」など5機を進入させている。
一方、尖閣諸島周辺の接続水域で10日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。1隻は機関砲のようなものを搭載していた。尖閣周辺で中国船が確認されるのは45日連続。
オリンピック憲章には根本原則として、「スポーツを通して、平和でよりよい世界をつくることに貢献する」とある。
五輪閉幕後のロシアによる「ウクライナ侵攻」が懸念されるなか、連動した「台湾有事」「尖閣有事」も警戒される。
東アジアの平和と安定を守るため、日米は抑止力強化を進めている。海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」と、米原子力空母「エーブラハム・リンカーン」などは4~7日、沖縄周辺海域を含む東シナ海、西太平洋で共同訓練を実施した。