64年の東京五輪を楽しみにしながら亡くなってしまった。2020年の東京五輪を前に敬子夫人は「あの人にますます発展した日本の様子を報告したい」と意気込んでいたが、コロナ禍で延期となり無観客開催になってしまった。いまだにコロナ禍は先行き不透明のままだ。
闘いを恐れず、ネバーギブアップの精神で何事にも取り組む、力道山の人生訓を訴える。それは体の強さはもちろん、精神的な強さだ。理不尽なことには立ち向かう。困っている人がいたら、見過ごさず手を差し伸べる。自分との闘いにも正面から立ち向かう。決してあきらめない。「特に若い人たちにお願いしたい」と敬子さんは熱い。
敬子さんが寄贈する力道山グッズを中心に展示される「プロレス殿堂館リングサイド」が4月9日、熊本県天草市にオープンする。敬子さんは名誉館長に就任した。
力道山の銅像といえば、東京・池上本門寺だが、敬子さんが「雨、風にさらすのはよくないと聞いて」と自宅に秘蔵してきた胸像も公開される。今こそプロレスの力を! 令和のプロレスラーたちの思いと力道山夫人・敬子さんの願いは時代を超えて変わらない。 (プロレス解説者・柴田惣一)