ここまで進んだ最新治療

前立腺がんに合併症が少ない「タルサ治療」 ミリ単位で超音波制御し病巣壊死、ステージⅡ期まで適応1/2ページ

三浦正義部長(提供写真)
三浦正義部長(提供写真)

前立腺がんは、治療を受けた場合のⅠ期~Ⅲ期の10年生存率は100%と予後がいい(国立がん研究センター調べ)。しかし、従来の標準治療である全摘手術や放射線治療には、尿失禁や勃起障害などの合併症のリスクが伴う。前立腺には尿道括約筋と勃起神経が付着しているため、治療によるある程度の損傷が避けられないからだ。

その治療に伴う合併症を減らせる「タルサ(TULSA)治療」という新しい治療法がある。現在、欧米では承認されているが、日本ではまだ未承認。治療装置をメーカーから輸入して、自由診療で行われている。

どんな治療法なのか。2019年10月からアジアで初めてタルサ治療を開始した札幌北楡(ほくゆ)病院/腎臓移植外科・泌尿器科(札幌市)の三浦正義部長が説明する。

「タルサ治療は、尿道から棒状の超音波発振器を挿入し、そこから出る高エネルギーの超音波によって前立腺内部の病巣を加熱することで、がん細胞を壊死(えし)させます。加熱範囲は治療前にMRI撮影を行い、その画面上で範囲を立体的に指定します。すると装置のコンピューターよって超音波の出力や範囲が自動的にコントロールされ、ミリ単位で制御されるのでがん病巣のみがターゲットとなり、指定範囲外はダメージを受けないのです」

タルサ治療で使う装置
タルサ治療で使う装置

国内では同じく超音波を用いる「HIFU(ハイフ)」という治療法が先行して自由診療で行われているが、大きな違いはハイフは器具を肛門から挿入し、直腸の壁を経由して前立腺に超音波エネルギーを当てるところ。そのため直腸の熱損傷が生じる可能性があったり、直腸の反対側の前立腺組織にエネルギーが届きにくい問題点がある。

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