なぜ、その美意識が生まれるのか? それは、自分で自分を説得したり、あるいはある種の「洗脳状態」に持っていかなければ、大きな舞台には立てないからです。美しくなることで自信を持つ、その精神は、脳や筋肉にも大きな影響を与えていきます。
もちろん、そんなことをしなくても自己表現できる方もいます。ただ、美意識から自分を変えていくアプローチを選択する自由はあります。そうした意味を、ちゃんと理解してからモノを言えと言いたいわけです。
私もあるときから舞台衣装を化繊生地でなく、正絹(シルク100%)で仕立てるようになりました。他人には見えないけれど、「春蝶」という名前を襲名してからは、羽織の裏にはすべて蝶々の絵柄をあしらっています。ある時から、「そうしなければならない」と感じたからです。
みすぼらしい店構え、食器もイマイチ、仲居さんの服装もだらしない…。大体、こういう料理店はまずい。それと同じで、見た目にまで神経を配れる人こそ、評価や価値を高める文化人になれる。当然、スポーツも含めてのことです。
ネットバッシングしている人は、それらの事実をどうか心の隅に置いて発言してほしいですな。
高梨選手に思う。心が傷つけられたときは、「相手を紙やすりだと思ったらいい」という考えがあるそうです。多少、こちらの心にかすり傷はつくけど、最後にゃピカピカになる。そして、こすった側はやればやるほど使い物にならなくなる…ってね(笑)。