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ウイグルや香港などで人権抑圧を強める中国に抗議する声が広がる中、ついに北京冬季オリンピックが開幕した。現在でも世界中で大会開催反対の運動が巻き起こっている。東京でも中国大使館前にウイグル族など弾圧で苦しむ各民族代表が集まり、抗議のデモを行ったが、このような「呪われた五輪」は歴史上類例がない。並び称されるのは、第二次大戦のきっかけとなったベルリン五輪である。
そこで1936年の同大会を描いた映画を2本DVDで見返して、今回と比較してみよう。まずは五輪の記録フィルムとして、世界的に有名なレニ・リーフェンシュタール監督の「オリンピア 民族の祭典/美の祭典」(38年)。
さすが記録映画史に残る名作だけに、大会の様子を生き生きと映像化しているが、にこやかに笑うヒトラーや翻るカギ十字旗の下に行われた数々の犯罪行為に思いが及ぶ。戦後、ナチ党員でさえなかったレニが戦争責任を追及されたのは、「オリンピア」などを制作し、ナチスの戦意高揚に手を貸したからだ。
彼女は戦後ホロコースト(大量虐殺)の実態を知り、一時は自殺を考えるなど、死ぬまで映画が果たした大罪に苦悩し続けた。