
北京冬季五輪もそろそろ終盤にさしかかろうとしています。これまでに訪れた会場を振り返って、やはり体力的にしんどい思いをするのはスキー競技などが行われる張家口エリアではないかと思います。北京の気温は寒くても氷点下5度前後といったところですが、張家口の夜は氷点下20度を下回る極寒の世界です。今回は、北京を拠点に張家口に向かう際の苦労をご紹介します。
張家口は北京から約180キロ離れているため、移動には高速鉄道を利用します。そのため、張家口にも選手村や報道陣など関係者が宿泊するホテルは用意されているのですが、北京に宿泊する関係者が取材に訪れる機会も少なくありません。その場合、特に苦労するのが最終電車です。
夜に実施される競技の場合、競技が終わり取材を終えるころには午後10時を回っている場合があります。しかし高速鉄道の終電は午後10時10分なので、撤収は可能な限り速やかに行わなければ、せっかく乗車券を確保していても乗りそびれてしまうという事態が発生するのです。しかも改札を通れるのは出発の5分前まで。実際に終電に乗りそびれたある記者の話では、出発5分前で逃した関係者が、駅員に「なんとかならないのか」とすがる風景が広がっているんだとか。
極寒の中、路頭に迷うのかと思いきや、終電後の最終手段として一応、張家口から北京に向かうバスも存在します。高速鉄道では約50分の道のりを4時間ほどかけて移動するため、ホテルに帰るころには明け方になるようです。 (五輪取材班・内藤怜央)