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北京冬季五輪のフィギュアスケート女子に出場しているロシア・オリンピック委員会(ROC)のカミラ・ワリエワ(15)のドーピング問題で、陽性反応を示した禁止物質トリメタジジンを含めて心臓疾患の治療に使用される薬物が計3種類検出されていたと米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が15日に報じた。ショートプログラム(SP)首位で、17日のフリーに出場するワリエワやロシアのフィギュア指導者に対する各国の論調は厳しさを増している。
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新たに判明した物質は禁止薬物には指定されていない「ハイポキセン」と「L―カルニチン」で、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提出された文書で明らかになったという。同紙は「ワリエワは昨年12月に行われたドーピング検査で心臓の働きを助けるために使われる3つの薬物について陽性だった。その1つだけが禁止薬物だった」と伝えた。
同紙によると、L―カルニチンは脂肪をエネルギーに変える作用があり、経口摂取は認められているが、点滴や注射による大量摂取は禁止されている。過去にはドーピングで問題になったこともあり、2019年に陸上長距離コーチのアルベルト・サラザール氏が選手に点滴を行ったとして4年間の資格停止処分になった事例もある。
また、CASへの提出文書によると、ワリエワはドーピング検査時にあらかじめ3つの薬物の使用を宣誓し登録していたという。登録されていたのは、L―カルニチン、ハイポキセンとビタミンサプリメントの「スプライディン」だった。禁止薬物のトリメタジジンはもちろん登録されていない。