最近、ひそかなブームになっているのが「焼き芋」です。寒い季節に焼き芋といえば、ほくほく熱々の石焼き芋が定番でした。このコラムでも過去に、焼き芋の話、パックで売られている焼き芋のおやつと2回ご紹介しています。ここ数年、スーパーなどでも石焼き芋製造機が置かれ、焼きたてを購入できる場所がたくさんあります。
しかし、今ブームになっているのは、「ほくほく熱々」ではなく「ひんやりクリーミー」な焼き芋です。
これには、理由があります。以前の焼き芋の位置づけは、「おやつ」が定番でしたが、今ブームになっている焼き芋は、「食事」であり「アレンジ」です。甘い芋という位置づけから糖質が多く太りやすいものという印象が強いサツマイモですが、糖質も含まれつつも食べるメリットを感じるほどの食物繊維量やビタミン、ミネラルがあります。
例えばご飯100グラム(おにぎり1個ほど)の糖質は38・1グラム、食物繊維は1・5グラムですが、サツマイモ(皮付き蒸し)は糖質31・3グラム、食物繊維3・8グラム(日本食品標準成分表2020年版)。つまり、糖質量は少なく食物繊維は2・5倍も含まれるというわけです。
また、ストレスケアのビタミンC、むくみ改善のカリウム、カルシウムなどいろいろな栄養素が含まれています。つまり「ご飯の代わりにサツマイモを食べる」がブームの理由の1つなのです。冷蔵でおいしさがキープされている焼き芋にチーズを乗せて焼いたり、そのままヨーグルトに合わせたり、サラダに混ぜたりといろいろな使い方で、手軽な食事としてのポジションを確立しつつあります。