「ヒゲの隊長」として知られる自民党の佐藤正久参院議員がお怒りだ。党の外交部会長を務める佐藤氏は15日、共同通信の「日ウクライナ首脳 今夜会談」という記事を引用して、次のようにツイートした。
【外務省のチグハグ感が拭えない。本日夜の日ウクライナ首脳会談の前に、林大臣参加の日露貿易経済協力推進会議を実施するとは?】
確かにチグハグだ。これには筆者も驚いた。
長らく緊張の続くウクライナ情勢だが、ここへ来てようやく、わが国の岸田文雄首相が動きを見せた。15日に、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話会談を行った。力弱いながらも「ウクライナとの連携」をアピールするのだろうと思ったら、その直前に冷や水を浴びせるような、林芳正外相の動きがあったのだ。
佐藤氏のいう「日露貿易経済協力推進会議(貿易経済政府間委員会)」実施である。
折しも、前日(14日)には、G7(先進7カ国)の財務相が、仮にロシアによる軍事侵攻があれば「ロシア経済に甚大かつ即効性のある経済・金融制裁を共同して科す用意がある」と強い言葉で牽制(けんせい)している。その翌日に、こともあろうに日本の外相が「ロシアとの経済協力」を話し合ったというわけだ。タイミングは最悪である。