
天才少女も重圧につぶされた。SP首位のワリエワは、最終滑走でミスを連発して、「キス・アンド・クライ」で泣き崩れた。
優勝しても金メダルがもらえるかどうかわからないという複雑な思いで氷上に立ったフリー。冒頭の4回転サルコーは耐えたが、トリプルアクセルで乱れ、続く4回転を含む2連続ジャンプで転倒。さらに演技後半の4回転トーループも尻もちをついた。

演技中、ロシアメディアや関係者席から手拍子も上がったが本来の演技とはかけはなれていた。無言で報道陣の前を通り過ぎ、その表情は疲れ切っていた。
坂本も「正直見るのがつらかった」と漏らす失速ぶりだった。
IOCは今大会の女子個人の成績を暫定的なものとして扱う方針。ワリエワがメダル圏内に入った場合、行われない方針だった表彰式は、無事行われることになったがわだかまりは消えない。ワリエワが金メダル獲得に貢献した団体の表彰式はいまだ実施されないままだ。