フリーの結果、金メダルは、SP2位だった昨季の世界選手権女王、アンナ・シェルバコワ(17)=ROC=がフリー2位の合計255・95点で獲得。SP4位のアレクサンドラ・トルソワ(17)=ROC、写真(彦野公太朗撮影)=は、フリー1位だったが合計251・73点でわずかに及ばず銀メダルとなった。
これにおさまりがつかなかったのがトルソワだ。この日、女子ではルッツとフリップの4回転ジャンプをそれぞれ五輪史上初めて成功。計5度の4回転挑戦も五輪初という高難度の演技だったのに、金に届かなかったからだ。米紙「USA TODAY」によると、演技後はトゥトべリゼ・コーチのハグを拒否して「すべてが嫌なのよ!」と怒鳴るなど激高。「4回転を加えて勝てるはずなのに」と吐き捨てた。ROCは金銀を獲得しながら寒々しい雰囲気となった。
2人のメダリストに対して報道陣からワリエワについての質問も飛んだ。シェルバコワは「同じアスリートなので分かる。あの中で最後まで滑りきったのは大変だったと思う」と思いやった。一方、いらだっているトルソワは「私ではなく彼女に聞いて」と答えなかった。
スポーツ仲裁裁判所(CAS)は18日、ワリエワの出場継続を容認した判断に関する41ページの裁定文書を公表。同選手側は禁止物質トリメタジジンの意図的な摂取を否定し、心臓手術を受けたワリエワの祖父が常用する薬が混入した可能性を主張しているという。