先月は長めの正月休みに加えて体調不良でしばらく社会から隔離されていたので、かなり体が鈍ってしまった。だらだらと猫を愛でながらNetflixを見て眠くなったら寝るだけの生活はとっても楽ちんだけど面白味はあんまりない。今月に入ってからは先月の分を取り戻すために仕事やらプライベートやら様々な予定を詰めこんでみたのだが、最近になってようやく体に生活の感覚が戻ってきたような気がする。
普通に仕事したり色んな人に会いながら生活していると、自分は臆病なくせに過剰なものが好きだったということを思い出す。例えば、飲み会でテキーラショットを飲みまくって案の定気持ち悪くなって後悔してしまう夜も、撮影がキツくて「本当に無理かも、やばい死にそう」と思う瞬間も、その時は二度とそうならないようにしようと固く心に誓いはするのだけれど、本当はそういう瞬間を少しだけ愛している。だからAV女優をやっていけているのだと思うけど、品行方正な生活を送っていてはきっと体験できないだろうなという場面に遭遇すると嬉しくなるのは子供の頃にいい子にしすぎたせいだろうか。いや、ただ業と欲が深すぎるせいかな。
しかしこうして過剰さを摂取する生活を送ると、ふと自分をフラットに戻す時間が必要になる。結局自分は根っからのパリピではないから、24時間ORANGERANGEと湘南乃風を聴き続けることはできなくて、物事を考える時や過剰な生活にくらくらした時に自分に必要なのはセルゲイ・ポルーニンのダンスであり、SigurRosの音楽であり、SUPER BUTTER DOGのサヨナラCOLORであり、andymoriの遠くへ行きたいであり、モランディの絵画であったりする。私にとってそれらは全て特別に美しくて尊い。とても書ききれないけど、そう思えるものがこの世界には沢山あって、そういう物に触れると不思議と自分を取り戻せたような気持ちになるのだ。