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今年最初の競輪界のビッグレース「第37回全日本選抜競輪」(GⅠ)が20日から23日までの4日間、茨城県取手市の取手競輪場で開催される。同所で同大会が開催されるのは2017年第32回大会以来5年ぶり2回目。茨城県自転車競技事務所・角田浩美所長に大会直前の意気込み、取手競輪の今後などを直撃した。
時代はコロナ禍。公営競技の中でも参加人数が多い競輪は新型コロナウイルス感染者の発生により中止、打ち切りが目立つ。今大会では徹底した感染対策を施す。選手宿舎は通常4人一部屋だが今はソーシャルディスタンスを保つために2人で使用。宿舎に入りきれない選手は借り上げたホテルの個室を使う。
また、取手競輪では2020年6月の開催から検車場に報道陣は一切入れず、屋外での取材対応としている。「取手さんは厳しすぎるんじゃないのって言われます」。無事に開催したいという強い気持ちで心を鬼にして感染予防に徹している。
競輪のビッグレース(GP・GⅠ・GⅠⅠ)は年間で10開催しかなく、中でもGⅠが開催できる競輪場は僅かだ。GⅠが開催できる取手は順風満帆に見えるが、11年3月の東日本大震災ではバックスタンドのガラスや天井が落下し、バンクもひび割れて、存続が危ぶまれるほどの被害が発生していた。
取手競輪は茨城県が主催しており角田所長は震災当時、県庁で報道対応のセクションに所属。「あの時は4日間、家に帰れなかった記憶があります」と振り返る。原発事故の影響で福島県から多くの避難者が茨城県に押し寄せ、「茨城県では受け入れるためにホテルなどの手配もしました。競輪場内の選手宿舎でも受け入れたと聞いています」。当時の産経新聞によると取手市は、災害時相互応援協定を結んでいる南相馬市から避難者を受け入れ、ピーク時には54世帯171人が市内に避難していたという。