1月21日には、ベトナム人民軍の幹部候補生で防衛大学に留学中だった男が、在留カードやキャッシュカード、学生証などをSNSで知り合った別のベトナム人に7万円で売り渡したとして、出入国管理法違反容疑などで警視庁に逮捕されている。
警視庁は、男の在留カードが3台の携帯電話の契約に使用されたことを確認しており、特殊詐欺グループに悪用された疑いがあるとみているという。
フンさんが「おじさん」と出会ったのも、Facebook上の在日ベトナム人コミュニティーだという。そのコミュニティーをのぞいてみると、「銀行口座買います」や「学生証から運転免許証まで完全コピー可能」などなど、いくつもの怪しい書き込みが投稿されていた。
■1都3県に住む外国人は120万人とも言われ、東京は文字通りの多民族都市だ。ところが、多文化共生が進むロンドンやニューヨークと比べると、東京在住外国人たちはそれぞれ出身地別のコミュニティーのなかで生活していることが多い。中韓はもとより、ベトナム、ネパール、クルド系など無数の「異邦」が形成されているイメージだ。その境界をまたぎ歩き、東京に散在する異邦を垣間見ていく。境界の向こうでは、われわれもまたエイリアン(異邦人)という意味を込めて。