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ウクライナ危機が新たな局面に入った。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は21日、ウクライナを最大19万人もの軍隊で包囲したうえで、親ロシア派武装組織が実効支配するウクライナ東部地域の「独立」を承認する大統領令に署名したのだ。同時に、ロシア軍を同地域に派遣するよう国防省に命じた。ウクライナ軍と一触即発の危機。ジョー・バイデン米政権やEU(欧州連合)は、国際法や同地域の紛争解決を目指した「ミンスク合意」への明確な違反として反発し、制裁で対抗する姿勢を示した。緊迫のウクライナ情勢はどうなるのか。中国が画策する「台湾有事」への連動はあるのか。専門家に聞いた。
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「(ウクライナがNATO=北大西洋条約機構=に加盟すれば)ロシアへの直接の脅威となる」「(欧米はNATOの不拡大提案を)無視した」「(ウクライナ東部の)独立と主権の承認を決断する必要がある」
プーチン氏は21日、クレムリンからのテレビ演説でこう語った。
この後、ウクライナ東部の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」と名乗る地域の「独立」を承認する大統領令に署名し、両地域にロシア軍を派遣して平和維持に当たるよう国防省に命じた。
2地域は、ウクライナ東部で紛争が激化した2014年、「人民共和国」として独立を宣言したが、国際的には承認されていなかった。
プーチン氏は大統領令署名後、2つの地域トップ2人とともに、両地域とロシアとの友好相互援助条約にも調印した。これで、ウクライナ東部にロシア軍を侵攻させる「口実」を得たつもりなのか。まさに、「力による現状変更」ではないか。