テレビ朝日の前社長、亀山慶二氏(63)の突然の辞任は衝撃的だった。会社経費の私的使用など不適切な行為が確認されたというのがその理由だ。いったいテレビ朝日で何が起きているのか。本紙で「テレビ用語の基礎知識」を連載する元テレビ朝日のテレビプロデューサー、鎮目博道氏が問題点を深掘りする。
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私はテレビ朝日のOBです。ホント、テレ朝のスキャンダルが止まりませんね~。今月8日には部長が詐欺容疑で逮捕。そして10日には、経費約60万円を私的使用したとして亀山氏が社長を辞任。昨年起きたスポーツ局のカラオケ転落騒動やらなんやら、もういつ何が起きたのか書ききれないくらいです。
亀山氏の辞任は「60万円の私的使用」が原因とは思えないという声があちこちから上がってます。確かに、あの年代の出世したテレビマンで飲み食いに60万円程度の金を流用していない人はぶっちゃけ、ほぼ誰もいないでしょう。その程度で辞任していたら、どこの局も役員が誰もいなくなっちゃいますよ…、まあそれも悲しい話ですけどね。
「スポーツ局との確執」が本当の原因だという話は他の記事にお任せして、私が改めて問いたいのは、「社長が辞任しても、テレ朝の内部から少しも驚きの声が聞こえてこないこと」です。「ああ、またかよ。社長がクビになってもどうせ何も変わらないよ」という、何とも投げやりな声しか聞こえてきません。
私はいろんなメディアにテレビの批評を書かせてもらっています。「業界内部から厳しい批判をしないと、テレビ局の現状は変わらない」と思って、かなり辛口のことを書かせてもらっていますが、テレ朝に関しては「なんかしばらく悪口を書くのは止めようかな」と思ってしまいます。