バイデン米大統領は、ドナルド・トランプ前米大統領が「国にもそれぞれ歴史的な事情がある」と考え、プーチン大統領とは個人的な関係を築いてきたのとは違います。
あくまで米ソ冷戦時代と同じく、ロシアを仮想敵国と考える「冷戦思考」の持ち主です。結果、バイデン大統領は中国とロシアを接近させ、世界の分断を進めてしまったように感じます。
ここで、日本はロシアを中国とは離間させ、米国にも「あくまでいま、対抗すべきは中国なのだ」と言い聞かせ、立ち回るべきではないでしょうか。米国は「2正面作戦」を改めるべきです。
プーチン大統領も実は中国を警戒しています。彼はロシア正教の信仰者で、無神論国家の中国とは相いれません。今後は信仰心を大切にする国々で、無神論の中国や北朝鮮に対峙することが大事ではないでしょうか。
極東地域の安全保障を考えた場合、できれば日本との関係をより深めたいと考えていることが、プーチン大統領の言葉の随所にも見られます。日本にとっても、ロシアとぶつかれば、対中国、北朝鮮、ロシアの「3正面作戦」にもなりかねません。それは避けたいところです。
ロシアとは北方領土をめぐる問題がありますが、比較考量で、問題を棚上げしてでもロシアとの平和条約締結を急ぐべきです。それこそが日本の「国益」にかなうと考えます。あくまで日本の最大の脅威は、中国共産党政権なのです。 (幸福実現党党首・釈量子)