就寝中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」。熟睡しているつもりでも、実際には浅い眠りが続いているため、日中に眠くなって作業の効率が下がるほか、交通事故の原因にもなる。
加えてSASは、断続的な無呼吸状態が心臓に負荷をかけるため、心筋梗塞や脳梗塞などのリスク要因でもある。
まだSASが社会問題として浮上し始めたばかりの25年前から対策に取り組んできたのが、東京・代々木にある「片平歯科クリニック」院長の片平治人歯科医師。その実績は連携先の睡眠クリニックから高い評価を得ている。一般歯科も行う同クリニックにおいて、SAS関係の患者が全体の半数を超えるほどだ。
「下あごを少しだけ前に出すマウスピースを作って、寝るときに装着することで喉の気道を確保する治療法。重症になると鼻にマスクを着けて空気を送り込むCPAPという機器を使わなければならなくなりますが、軽症から中等症ならマウスピースで改善できます」