神田明神のホールでトークイベントがあり、そこにゲストで呼ばれた。
控え室に弁当が用意されていたが、たまたま前の仕事で食べてきたので、いらないと思った。が、この連載があることを思い出し、持って帰ることにした。
控え室で「八五郎弁当」という弁当であることは確認したが、その八五郎が、あの八五郎だと家に帰るまで気がつかなかった俺はドンカンだ。
神田で八五郎と言ったら、彼しかないじゃないか!そう、神田明神下の銭形平次の一の子分「ハチ」だ。
テレビドラマ「銭形平次」は、ボクが物心ついた時からやっていて、漫画家デビューしてもまだ続いていた。「大型平次」というパロディ漫画を描いたこともある。
ボクの漫画の平次は、ピンチになると懐の銭を出し、投げるのではなく頭上にかざす。するとピカッと閃光とともに、平次のからだは、身長10メートルの巨人になるのだ。賊など一捻り。全くもってくだらない。
もちろんボクの見ていた平次は大川橋蔵版。今調べたら、1966年から1984年まで、実に888回も続いてギネスブックに乗ったほどの長寿番組だ。刷り込まれるほど見た。