
いくつになっても元気に働き続けるには、老化を退けることが大切。だが、同じ年齢でも、自分よりも「若く見える」「老けて見える」といったように、実際の年齢と見た目年齢は個人差が大きい。その差はなにか。
「実年齢は最もわかりやすい加齢の指標ですが、老化の判定では、臓器機能や身体機能の生物学的な老化速度の指標が必要になります。見た目年齢もその指標の1つになる可能性があるのです」
こう話すのは、国際医療福祉大学医学部整形外科学の石井賢主任教授。国際医療福祉大学成田病院・三田病院の整形外科部長と脊椎脊髄センター長を兼務し、脊椎脊髄領域の低侵襲内視鏡手術などを得意としている。
また、石井教授は脊椎脊髄に関わる病気が加齢とともに増えることから、予防の一環として「リバースエイジング(若返り)」の方法についても詳しく、今年開催の「第12回運動器抗加齢医学研究会」の会長を務める。
「老化研究の『Nature Aging』の論文では、生物学的老化スピード(PoA)は、平均1に対して0・4~2・44倍と大きな幅がありました。この速さに、顔の見た目年齢が相関していたのです」