日本ハムの〝BIGBOSS〟新庄剛志監督(50)の〝劇場〟が北の大地で幕を開けた。本拠地オープン戦初陣となった2日のヤクルト戦(札幌ドーム)は、わずか1安打で1―0の勝利。この試合はNHKが北海道ローカルながら地上波生中継に踏み切る、オープン戦では超異例の対応。しかし、連日扱われるテレビの「フィーバー」ぶりに比べると、まだまだファンとの温度差がみられることは否めない。近年の低迷で離れてしまった日本ハムファンを呼び戻す任務も担うビッグボスは、アピールに成功し最高のスタートを切った。 (片岡将)
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1安打勝利にご満悦
1安打勝利の試合後、報道陣の前に姿を現した指揮官は、会心のゲームをテンション高めに振り返った。
「いやあ、守備がいいし、ピッチャーも良かったし。言うことないっしょ!」
6回まで無安打も、7回先頭の代打・近藤の四球を起点に2死三塁と初めて得点圏に走者を進めると、佐藤が二塁、中堅、右翼の間にポトリと落とす決勝の適時二塁打。日本ハムが放った安打はこの1本だけだった。
「きょうは楽しかった。じっとできない。じっとしたいけど、じっとできない。守りで勝つ。1安打で勝つ。1安打で勝つ試合を60試合くらいしたいな(笑)。もっと打てって? いや、でもこれは最高っすよ。向こうは8安打だからね」とビッグボス節を全開。生中継でぶざまな無安打負けを喫する瀬戸際から、狙い通りの守り勝つ野球をアピールできる展開にご満悦だった。